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ウェブアクセシビリティ義務化はどこまで?努力義務との違い

更新(初出 2025 年 9 月 26 日) by 松崎

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「2024年からウェブアクセシビリティが義務化された」という言い方をよく見かけます。

これは、半分あたっていて、半分ちがいます。

2024年4月1日に義務になったのは「合理的配慮の提供」で、ウェブアクセシビリティの確保そのものは、いまも努力義務です。ただ、努力義務だから何もしなくていいという話でもありません。

このページでは、よく検索されている「いつから」「対象」「罰則」「どこまで」の4点を、条文と総務省の資料にもとづいて順に整理します。

ウェブアクセシビリティとは

画像の上下左右から笑顔の男女がこちらを覗き込んでいる

年齢や障がいの有無にかかわらず、誰もがウェブで提供される情報やサービスを使える状態のことです。

目が見えない方は読み上げソフトで、手が使いづらい方はキーボードだけで、サイトを操作します。そうした使い方でも情報にたどり着けるように作られているかどうか、という話です。

「障がいのある方のための特別な対応」と受け取られがちですが、加齢で見えづらくなった方、けがで片手しか使えない方、電車で音を出せない方にも、そのまま効きます。

いつから、何が義務になったのか

2024年4月1日です。改正障害者差別解消法が施行された日です。

この日から義務になったのは、「合理的配慮の提供」です。それまで民間事業者は努力義務でしたが、行政機関等と同じく法的義務になりました。

いっぽう、ウェブアクセシビリティの確保は、同じ法律の「環境の整備」(第5条)にあたります。こちらは行政機関等も民間事業者も、努力義務のままです。

合理的配慮の提供環境の整備
位置づけ法的義務(2024年4月〜)努力義務
相手目の前の、その方ひとり不特定多数
タイミング申し出があったときあらかじめ
Webでの例フォームが使えない方に、電話やメールで代わりに受け付けるサイトを読み上げソフトで使える状態にしておく

「ウェブアクセシビリティが義務化された」という言い方は、この2つが混ざったものです。

それでも、環境の整備から手をつけたほうが早い

義務なのは合理的配慮のほうですが、環境の整備が進んでいるほど、合理的配慮として求められる個別対応は少なくて済みます。

フォームが読み上げソフトで使えないサイトは、使えないという申し出があるたびに、人が電話やメールで受けることになります。フォームを直しておけば、その手間自体が起きません。内閣府も総務省も、この2つをこうした関係で説明しています。

努力義務だから後回し、ではなく、義務のほうを軽くするために環境の整備をする。順番としてはこちらです。

対象になるのは、どこまでの事業者か

すべての事業者です。規模も業種も問いません。

  • 法人・個人の別を問いません(個人事業主も対象です)
  • 営利・非営利の別を問いません(NPO、社会福祉法人、ボランティア団体も対象です)
  • 従業員数や売上による線引きはありません

国・地方公共団体・独立行政法人・地方独立行政法人は「行政機関等」として、合理的配慮の提供が2016年の法施行時から義務です。公立大学法人や公立病院も、ここに含まれます。

行政機関等の場合、ウェブアクセシビリティについては総務省の「みんなの公共サイト運用ガイドライン」があり、JIS X 8341-3:2016のレベルAA準拠が目標水準として示されています。

参考:総務省「みんなの公共サイト運用ガイドライン」/内閣府「障害者差別解消法」

罰則はあるのか

「対応しなかったこと」そのものへの罰則は、ありません。ただし、罰則の規定がないわけでもありません。ここは正確に見ておいたほうがいい部分です。

同じ事業者による差別が繰り返され、自主的な改善が見込めない場合、その事業を所管する大臣が事業者に報告を求めることができます(第12条)。助言・指導・勧告もできます。

そして、この報告をしなかった場合、または虚偽の報告をした場合は、20万円以下の過料です(第26条)。

つまり、罰金が科されるのは「アクセシビリティに対応していないから」ではなく、「行政からの報告要請に応じなかったから」です。この違いを押さえておくと、社内での説明もしやすくなります。

どこまでやれば「対応した」ことになるのか

ここがいちばん多いご質問ですが、法律には「ここまでやれば適合」という線は書かれていません。

そのかわり、実務の目安になるのがJIS X 8341-3:2016という規格です。国際基準のWCAG 2.0と内容が一致していて、達成基準がA・AA・AAAの3段階に分かれています。

  • レベルA/最低限。ここを満たしていないと、使えない方が出ます
  • レベルAA/実務上の目標。行政機関等に示されている水準です
  • レベルAAA/サイト全体での達成は、通常は求められません

民間事業者の場合、まずレベルAを一通り満たし、そのうえでAAを目指すのが現実的な進め方です。

「対応した」と書くときに、気をつけたいこと

JIS X 8341-3には、達成度合いの表記のしかたまで決められています。準拠・一部準拠・配慮という言葉があり、どの範囲をどう試験したかを「試験結果表示」として公開することになっています。

試験をせずに「アクセシビリティに対応しています」とだけ書くと、根拠のない表示になります。総務省も、試験の客観性が担保されていない例を、適切でない取組として挙げています。

詳しい水準の考え方と診断のやり方は、ウェブアクセシビリティ診断・改善サービスのページにまとめています。

数でいうと、どれくらいの方に関わるのか

内閣府の令和6年版障害者白書によると、身体障がい・知的障がい・精神障がいを合わせた障がい者数は約1,160万人。複数の障がいを併せ持つ方もいるため単純合計ではありませんが、国民のおよそ9.2%にあたります。

出典:内閣府「令和6年版 障害者白書 参考資料 障害者の状況」

ここに、加齢で見えづらくなった方、けがで一時的に片手しか使えない方、電車のなかで音を出せない方が加わります。アクセシビリティに配慮した作りは、そのまま多くの方にとっての使いやすさになります。

サイトスタイリング™でのアクセシビリティ対応

4要素すべてでのアクセシビリティ配慮

当社のサイトスタイリング™では、デザイン、性能、使いやすさ、コンテンツの4つの要素すべてにおいて、アクセシビリティに配慮した最適化を行っています。

デザイン面

色のコントラスト比の確保、色だけに依存しない情報伝達、読みやすいフォントサイズの設定など、視覚的なアクセシビリティを重視します。

性能面

音声読み上げソフトや支援技術との互換性確保、キーボードのみでの操作対応、適切なマークアップによる構造化など、技術的なアクセシビリティに取り組みます。

使いやすさ面

直感的なナビゲーション、一貫した操作性、エラーメッセージの分かりやすさなど、認知的な負担を軽減する設計を行います。

コンテンツ面

画像の代替テキスト、動画の字幕、わかりやすい言葉遣いなど、情報のアクセシビリティを確保できるように取り組みます。

法的要件を満たしながら集客力も向上

アクセシビリティの対応は単なる法的義務の履行ではなく、すべてのユーザーにとって使いやすいサイトを作ることです。

適切な配慮がされたサイトは、障がいのある方だけでなく、高齢者、一時的に不便を感じている方、技術に不慣れな方など、幅広いユーザーにとって使いやすくなります。

また、検索エンジンも構造化された、わかりやすいサイトを高く評価するので、SEO効果の向上も期待できます。なので、集客力の向上も同時に狙っていくことができます。

アクセシビリティ対応の具体的手法

では、実際にどのような配慮が必要なのか、具体的に見ていきましょう。

デザインでの配慮点

色とコントラスト
文字と背景のコントラスト比を4.5:1以上(大きな文字では3:1以上)に設定し、色覚に障がいのある方でも読みやすくします。色だけで情報を伝えるのではなく、アイコンや形、テキストなどと組み合わせて情報を伝達します。

フォントと読みやすさ
読みやすいフォントを選択し、適切なサイズ(最低14px以上推奨)で表示します。行間や文字間も適切に設定し、ユーザーが文字サイズを拡大した際にも読みやすさを保ちます。

レイアウトと構造
論理的な読み順を意識したレイアウト、見出しの階層構造の適切な設定、重要な情報の視覚的な強調など、情報の構造を明確にします。

性能面での配慮

マークアップの最適化
意味のあるHTML要素の使用、適切な見出しタグの階層構造、フォームのラベル設定など、支援技術が正しく情報を認識できるようマークアップを最適化します。

キーボード操作対応
マウスを使えない方でも、キーボードだけですべての機能を利用できるよう設計します。フォーカスの移動順序も論理的に設定します。

支援技術との互換性
音声読み上げソフト、画面拡大ソフト、音声認識ソフトなど、様々な支援技術との互換性を確保します。

使いやすさの配慮

ナビゲーションの改善
現在位置の明確な表示、一貫したナビゲーション構造、スキップリンクの設置など、サイト内移動を簡単にします。

エラー処理の改善
わかりやすいエラーメッセージ、エラー箇所の明確な表示、修正方法の具体的な案内など、エラー時のサポートを充実させます。

時間制限への配慮
自動的にページが切り替わる機能や時間制限のある機能について、ユーザーがコントロールできるよう配慮します。

コンテンツでの配慮

代替テキストの充実
画像、図表、動画など、視覚的な情報にはすべて適切な代替テキストを設定し、音声読み上げソフトでも内容が理解できるようにします。

多様な形式での情報提供
動画には字幕や音声解説を付ける、重要な情報は音声でも提供するなど、様々な感覚で情報を受け取れるよう配慮します。

わかりやすい言葉遣い
専門用語の説明、短い文章での表現、論理的な文章構成など、理解しやすいコンテンツ作成を心がけます。

Webアクセシビリティの効果

Webアクセシビリティを適切に対応することで、以下のような効果が期待できるようになります。

個別対応の手間が減る・ユーザー満足度の向上

環境の整備が進んでいるほど、申し出を受けてから個別に対応する場面そのものが減ります。また、すべてのユーザーにとって使いやすいサイトになることで、顧客満足度が向上し、リピート率の向上や口コミでの評価向上が期待できます。

SEO効果の向上

適切な構造化マークアップ、わかりやすいコンテンツ、優れたユーザビリティは、検索エンジンからも高く評価されます。結果として検索順位の向上につながり、より多くの潜在顧客にリーチできるようになります。

市場の拡大

障がいのある方や高齢者など、これまでアクセスが困難だった潜在顧客層にもリーチできるようになります。国民のおよそ9.2%にあたる障がいのある方と、そのご家族。ここに届くようになります。

企業イメージの向上

社会的責任を果たす企業として、ブランドイメージの向上と社会的信頼の獲得につながります。特にBtoB取引では、コンプライアンス意識の高い企業として評価され、取引機会の拡大も期待できます。

内製化してアクセシビリティを継続して取り組む

継続的な配慮と改善の仕組み作り

Webアクセシビリティは、一度対応すれば終わりではありません。
新しいコンテンツの追加、システムの更新、法的要件の変更など、継続的な配慮と改善が必要です。

サイトスタイリング™の内製化により、日常的なサイト運営の中でアクセシビリティ配慮を組み込むことができるようになります。

新しいページを作成する際のチェックリスト作成、定期的なアクセシビリティ診断、ユーザーからのフィードバック収集と改善など、持続可能な仕組みを構築します。

社内体制の構築

アクセシビリティ対応を継続するには、社内の理解と協力が不可欠です。

Web担当者だけでなく、コンテンツ作成者、デザイナー、開発者、経営陣まで含めた全社的な取り組みとして位置づけることが重要です。

定期的な研修の実施、ガイドラインの整備、チェック体制の構築など、組織的な対応を行います。

利用者の声の活用

実際に障がいのある方からのフィードバックを収集し、改善に活かすことも重要です。

アクセシビリティ配慮のポイントは多岐にわたり、机上の検討だけでは気づけない課題もあります。実際の利用者の声を聞くことで、より実用的な改善を行うことができます。

法的要件と集客力を両立するサイトスタイリング™

Webアクセシビリティ義務化は、企業にとって新たな挑戦であると同時に、大きな機会でもあります。

適切に対応することで、法的リスクを回避しながら、より多くの人に愛されるサイトを作ることができます。また、アクセシビリティに配慮されたサイトは、結果的にすべてのユーザーにとって使いやすいサイトになり、集客力の向上にもつながります。

当社では、これからWebアクセシビリティ対応により一層力を入れて取り組んでいきます。
これは単なる法的要件への対応ではなく、サイトスタイリング™が目指すユーザーファーストの集客手法の重要な一部として考えています。

誰に対してもユーザーファーストな体験を提供することで、真の意味でのユーザビリティ向上と集客効果の向上を実現できると考えているからです。

デザイン、性能、使いやすさ、コンテンツの4つの要素すべてにおいて、アクセシビリティ配慮を組み込んだ最適化を行います。「法的要件を満たしながら、集客力も向上させる。」そんな「一石二鳥」のサイト改善をサイトスタイリング™でお手伝いいたします。

もし、あなたの会社のWebサイトがアクセシビリティ対応できていない、法的リスクを回避しながら集客力も向上させたい、どこから手をつけていいかわからないといった課題を抱えているなら、一度お気軽にご相談ください。

初回のご相談は無料です。
お気軽にお問い合わせください。