2025 09 26 Fri

Webアクセシビリティ義務化に対応するサイトスタイリング™

2025 年 9 月 26 日 by 松崎

代表の日記

視覚に障害のある方がWebサイトを利用する時、どんな困りごとがあると思いますか?

音声読み上げソフトが「ここをクリック」と読み上げても、何のためのボタンかわからない。
画像に代替テキストがないので、重要な情報が伝わらない。
色だけで区別されたリンクは、色の判別が困難な方には見分けがつかない。

こうした問題は、実は健常者にとっても使いにくいサイトと言えます。

画像の上下左右から笑顔の男女がこちらを覗き込んでいる

2024年4月、改正障害者差別解消法が施行されて、民間事業者にもWebアクセシビリティへの「合理的配慮」が法的義務となりました。これは単なる社会貢献ではなく、すべての人にとって使いやすいサイトを作ることで、企業の集客力向上にもつながる重要な取り組みです。

Webアクセシビリティ義務化の背景

法的要件と企業の責任

改正障害者差別解消法では、民間事業者に対して障害のある方への「合理的配慮」を提供することが義務化されました。
これはWebサイトにも適用されて、障害の有無に関わらず、すべての人が情報やサービスにアクセスできるよう合理的に配慮する必要があります。

具体的には、視覚障害、聴覚障害、運動機能障害、認知障害など、様々な障害のある方がWebサイトを利用できるよう、技術的・内容的な配慮を行うことが求められています。

国際的な基準であるWCAG(Web Content Accessibility Guidelines)に準拠することが推奨されており、特にレベルAAの達成が目標とされています。

対応しない場合のリスク

Webアクセシビリティに対応しない場合、企業は以下のようなリスクを抱えることになります。

法的リスク
障害者差別解消法に基づく厳格な行政処分が即座に行われるケースはありません。
でも、今後は監視が厳しくなる可能性があります。特に大企業や公共性の高いサービスを提供する企業では、社会的な注目度も高く、対応の遅れが企業の評判に大きく影響する可能性があります。
また、海外では既にアクセシビリティ関連の訴訟が増加しており、日本でも今後同様の動きが広がることが予想されます。

ビジネスリスク
障害のある方々やその関係者からの信頼を失い、企業イメージの悪化につながる可能性があります。約15%の人口を占める障害のある方々とその関係者は、重要な顧客層とも言えます。

機会損失
アクセシビリティに配慮されていないサイトは、多くの潜在顧客を取りこぼしてしまいます。高齢化社会が進む中、この影響はますます大きくなっていくでしょう。

サイトスタイリング™でのアクセシビリティ対応

4要素すべてでのアクセシビリティ配慮

当社のサイトスタイリング™では、デザイン、性能、使いやすさ、コンテンツの4つの要素すべてにおいて、アクセシビリティに配慮した最適化を行っています。

デザイン面

色のコントラスト比の確保、色だけに依存しない情報伝達、読みやすいフォントサイズの設定など、視覚的なアクセシビリティを重視します。

性能面

音声読み上げソフトや支援技術との互換性確保、キーボードのみでの操作対応、適切なマークアップによる構造化など、技術的なアクセシビリティに取り組みます。

使いやすさ面

直感的なナビゲーション、一貫した操作性、エラーメッセージの分かりやすさなど、認知的な負担を軽減する設計を行います。

コンテンツ面

画像の代替テキスト、動画の字幕、わかりやすい言葉遣いなど、情報のアクセシビリティを確保できるように取り組みます。

法的要件を満たしながら集客力も向上

アクセシビリティの対応は単なる法的義務の履行ではなく、すべてのユーザーにとって使いやすいサイトを作ることです。

適切な配慮がされたサイトは、障害のある方だけでなく、高齢者、一時的に不便を感じている方、技術に不慣れな方など、幅広いユーザーにとって使いやすくなります。

また、検索エンジンも構造化された、わかりやすいサイトを高く評価するので、SEO効果の向上も期待できます。なので、集客力の向上も同時に狙っていくことができます。

アクセシビリティ対応の具体的手法

では、実際にどのような配慮が必要なのか、具体的に見ていきましょう。

デザインでの配慮点

色とコントラスト
文字と背景のコントラスト比を4.5:1以上(大きな文字では3:1以上)に設定し、色覚に障害のある方でも読みやすくします。色だけで情報を伝えるのではなく、アイコンや形、テキストなどと組み合わせて情報を伝達します。

フォントと読みやすさ
読みやすいフォントを選択し、適切なサイズ(最低14px以上推奨)で表示します。行間や文字間も適切に設定し、ユーザーが文字サイズを拡大した際にも読みやすさを保ちます。

レイアウトと構造
論理的な読み順を意識したレイアウト、見出しの階層構造の適切な設定、重要な情報の視覚的な強調など、情報の構造を明確にします。

性能面での配慮

マークアップの最適化
意味のあるHTML要素の使用、適切な見出しタグの階層構造、フォームのラベル設定など、支援技術が正しく情報を認識できるようマークアップを最適化します。

キーボード操作対応
マウスを使えない方でも、キーボードだけですべての機能を利用できるよう設計します。フォーカスの移動順序も論理的に設定します。

支援技術との互換性
音声読み上げソフト、画面拡大ソフト、音声認識ソフトなど、様々な支援技術との互換性を確保します。

使いやすさの配慮

ナビゲーションの改善
現在位置の明確な表示、一貫したナビゲーション構造、スキップリンクの設置など、サイト内移動を簡単にします。

エラー処理の改善
わかりやすいエラーメッセージ、エラー箇所の明確な表示、修正方法の具体的な案内など、エラー時のサポートを充実させます。

時間制限への配慮
自動的にページが切り替わる機能や時間制限のある機能について、ユーザーがコントロールできるよう配慮します。

コンテンツでの配慮

代替テキストの充実
画像、図表、動画など、視覚的な情報にはすべて適切な代替テキストを設定し、音声読み上げソフトでも内容が理解できるようにします。

多様な形式での情報提供
動画には字幕や音声解説を付ける、重要な情報は音声でも提供するなど、様々な感覚で情報を受け取れるよう配慮します。

わかりやすい言葉遣い
専門用語の説明、短い文章での表現、論理的な文章構成など、理解しやすいコンテンツ作成を心がけます。

Webアクセシビリティの効果

Webアクセシビリティを適切に対応することで、以下のような効果が期待できるようになります。

法的リスクの回避・ユーザー満足度の向上

改正障害者差別解消法への適切な対応により、行政指導や訴訟リスクを回避できます。また、すべてのユーザーにとって使いやすいサイトになることで、顧客満足度が向上し、リピート率の向上や口コミでの評価向上が期待できます。

SEO効果の向上

適切な構造化マークアップ、わかりやすいコンテンツ、優れたユーザビリティは、検索エンジンからも高く評価されます。結果として検索順位の向上につながり、より多くの潜在顧客にリーチできるようになります。

市場の拡大

障害のある方や高齢者など、これまでアクセスが困難だった潜在顧客層にもリーチできるようになります。約15%の人口を占める障害者とその関係者という重要な市場への参入により、売上機会の拡大が期待できます。

企業イメージの向上

社会的責任を果たす企業として、ブランドイメージの向上と社会的信頼の獲得につながります。特にBtoB取引では、コンプライアンス意識の高い企業として評価され、取引機会の拡大も期待できます。

内製化してアクセシビリティを継続して取り組む

継続的な配慮と改善の仕組み作り

Webアクセシビリティは、一度対応すれば終わりではありません。
新しいコンテンツの追加、システムの更新、法的要件の変更など、継続的な配慮と改善が必要です。

サイトスタイリング™の内製化により、日常的なサイト運営の中でアクセシビリティ配慮を組み込むことができるようになります。

新しいページを作成する際のチェックリスト作成、定期的なアクセシビリティ診断、ユーザーからのフィードバック収集と改善など、持続可能な仕組みを構築します。

社内体制の構築

アクセシビリティ対応を継続するには、社内の理解と協力が不可欠です。

Web担当者だけでなく、コンテンツ作成者、デザイナー、開発者、経営陣まで含めた全社的な取り組みとして位置づけることが重要です。

定期的な研修の実施、ガイドラインの整備、チェック体制の構築など、組織的な対応を行います。

利用者の声の活用

実際に障害のある方からのフィードバックを収集し、改善に活かすことも重要です。

アクセシビリティ配慮のポイントは多岐にわたり、机上の検討だけでは気づけない課題もあります。実際の利用者の声を聞くことで、より実用的な改善を行うことができます。

法的要件と集客力を両立するサイトスタイリング™

Webアクセシビリティ義務化は、企業にとって新たな挑戦であると同時に、大きな機会でもあります。

適切に対応することで、法的リスクを回避しながら、より多くの人に愛されるサイトを作ることができます。また、アクセシビリティに配慮されたサイトは、結果的にすべてのユーザーにとって使いやすいサイトになり、集客力の向上にもつながります。

当社では、これからWebアクセシビリティ対応により一層力を入れて取り組んでいきます。
これは単なる法的要件への対応ではなく、サイトスタイリング™が目指すユーザーファーストの集客手法の重要な一部として考えています。

誰に対してもユーザーファーストな体験を提供することで、真の意味でのユーザビリティ向上と集客効果の向上を実現できると考えているからです。

デザイン、性能、使いやすさ、コンテンツの4つの要素すべてにおいて、アクセシビリティ配慮を組み込んだ最適化を行います。「法的要件を満たしながら、集客力も向上させる。」そんな「一石二鳥」のサイト改善をサイトスタイリング™でお手伝いいたします。

もし、あなたの会社のWebサイトがアクセシビリティ対応できていない、法的リスクを回避しながら集客力も向上させたい、どこから手をつけていいかわからないといった課題を抱えているなら、一度お気軽にご相談ください。

初回のご相談は無料です。
お気軽にお問い合わせください。