BtoBでのWeb集客課題
BtoB企業のWebサイトには、BtoCとは全く違った難しさがあります。
商品やサービスの検討期間が数ヶ月から数年に及ぶことも珍しくありません。
関わる人も、現場の担当者から部長、役員、最終的には社長まで、複数の立場の人が段階的に検討に加わります。
さらに、扱う商材も専門性が高くて、価格も数百万円から数千万円といった高額になることが多いです。
こういった状況で、単一の集客手法をそのまま適用しても、なかなかうまくいきません。
「ホームページが営業の役に立っていない」
「問い合わせは来るけれど成約にならない」
「商談までは進むけれど受注できない」
こんな課題を抱えているBtoB企業はとても多いです。

こういった問題も、その企業の特徴を理解した上でサイトスタイリング™を適用すれば、大きく改善させることができます。
これまでお話ししてきたカスタマーバリア™や「点」から「線」へのアプローチを、BtoB企業特有の課題に合わせて最適化していきます。
BtoBサイトのカスタマーバリア™
長期検討プロセスにあっていない情報設計
BtoB企業のWebサイトでよく見られる問題の一つが、長期検討プロセスに対応できていない情報設計です。
BtoCなら、商品を見て「良さそう」と思ったら、その場で購入することも多いですよね。
でも、BtoBは違います。
まず担当者が基本的な情報を収集して、上司に相談し、いくつかの会社を比較検討し、社内で稟議を回し、最終的に決裁者が判断する。このプロセスが数週間から数ヶ月かかる時もあります。
ところが、ほとんどのBtoBサイトは「少しの基本情報だけですぐに問い合わせしてもらう」ことを前提とした作りになっています。
基本的な情報が不足しているので、担当者は上司に説明できません。
もっと言うと、比較検討に必要な詳細なスペックや事例がない、料金体系が不明確なので、担当者での比較検討もできません。
これでは、せっかく興味を持ってくれた見込み客も、御社を候補先に選ぶことなく離脱してしまいます。
決裁者向けコンテンツの不足
もう一つの大きな問題が、決裁者向けコンテンツの不足です。
BtoBでは、実際に商品やサービスを使う現場の担当者と、最終的に購入を決める決裁者が異なることがほとんどです。
担当者は機能や使いやすさを重視しますが、決裁者はROIや戦略的な価値を重視します。
でも、多くのBtoBサイトは担当者向けの情報ばかりで、決裁者が求める情報が不足しています。
「導入効果はどの程度見込めるのか」
「投資回収期間はどのくらいか」
「競合他社と比べてどんな優位性があるのか」
「導入リスクはどう回避できるのか」
こうした決裁者が必要とするコンテンツがないと、いくら担当者が導入したいと思っても、社内で承認を得られず、導入となりません。
実際「担当者は気に入ってくれたのに、上層部の理解が得られずに導入見送りになった」というケースは多いです。
BtoB向けのサイトスタイリングの4要素
信頼性重視のデザイン最適化
BtoBサイトのデザインでは、「おしゃれさ」よりも「信頼性」が重要です。
高額な投資を検討している企業にとって、相手企業が信頼できるかどうかは重要です。
見た目が軽いイメージだったり、情報が整理されていなかったりすると、「この会社は大丈夫か?」という不安を与えてしまいます。
BtoB向けのデザイン最適化では、企業の信頼性や専門性を表現するレイアウト、読みやすい文字サイズと適切な余白、論理的な情報の配置、一貫したブランドイメージといった要素を重視します。
デザインの派手さ・カッコ良さではなく、「安心して任せられる会社」と感じてもらえるデザインが良いです。
パフォーマンスの最適化
BtoBサイトは、どうしてもコンテンツ量が多くなりがちです。
詳細な製品仕様、豊富な導入事例、技術資料、ホワイトペーパーなど、検討に必要な情報を充実させようとすると、自然とページ数もファイルサイズも大きくなります。
でも、コンテンツが多いからといって、表示速度が遅くなったり、操作性が落ちてしまっては意味がありません。
BtoB向けの性能最適化では、大容量コンテンツに対応した表示速度の改善、PDFなどの資料ダウンロード機能の最適化、検索機能の強化、安定したサーバー環境といったポイントに取り組みます。
情報は豊富でも、快適に閲覧できる環境を整えることが大切です。
論理的なナビゲーション設計
BtoBサイトのナビゲーションは、論理的でわかりやすくしておくことが大事です。
検討期間が長いBtoBでは、ユーザーは何度もサイトを訪れて、段階的に情報を収集していきます。そのたびに、欲しい情報にすぐたどり着けるような設計にしておかないと、見込み客を逃してしまうかもしれません。
製品・サービス別の分類、業界・用途別の事例、検討段階別の情報整理、関連資料への適切なリンク設置といった要素を組み合わせて、ユーザーが迷わず目的の情報にアクセスできるナビゲーションに最適化します。
専門性の高いコンテンツの充実
BtoBでは、専門性の高いコンテンツが必要です。
表面的な情報だけでは、検討してもらうための材料になりません。
技術的な詳細、具体的な導入効果、詳しい事例、業界動向の分析など、専門的な知識が詰まったコンテンツが求められます。
ただし、専門的だからといって、わかりにくくなってしまってはダメです。担当者から決裁者まで、立場の異なる人でも理解できるよう、適切な情報を整理して掲載しておくようにします。
BtoB特有の「線」の設計
認知→情報収集→比較検討→決裁→導入の流れにあわせる
BtoBの購買プロセスは、一般的に以下のような流れになります。
認知段階
課題や解決策について漠然と情報収集している状態。
この段階では、業界動向や課題解決のヒントになるようなコンテンツが有効です。
情報収集段階
具体的な解決策を探している状態。
製品・サービスの基本的な情報や、導入メリットをわかりやすく説明したコンテンツが必要です。
比較検討段階
複数の選択肢を比較している状態。
詳細なスペック、導入事例、料金体系など、判断に必要な具体的な情報を充実させておく必要があります。
決裁段階
社内での承認を得ようとしている状態。
導入効果、リスク対策など、決裁者が関心を持つ情報が重要になります。
導入段階
実際の導入に向けた準備を進めている状態。
導入するまでの流れや必要な準備、サポート体制などの情報がユーザーから求められます。
こういった流れを「線」として捉え、各段階に応じた情報を適切に提供できるよう、サイト全体を整えることが重要です。
どの段階でアクセスしても、次のステップに進みたくなるような情報が見つかる。
そんなサイトの流れを作ります。
実際の営業活動でも、優秀な営業担当者は、お客様の検討段階に応じて、提供する情報や提案内容を変えますよね。Webサイトも同じで、ユーザーの検討段階に応じた情報を提供する必要があります。
期待できる効果
BtoB向けのサイトスタイリング™では、以下のような効果が期待できます。
- リード獲得数増加
- 営業効率向上
- 受注率向上
リード獲得数の増加
質の高い見込み客からの問い合わせが増加します。必要な情報が充実することで、本気で検討している企業からのアクセスが増え、コンバージョン率も向上します。
営業効率の向上
事前にWebサイトで十分な情報を得た見込み客からの問い合わせが増えるので、営業担当者は基本的な説明に時間をとられることが少なくなって、より踏み込んだ提案ができるようになります。
受注率の向上
検討段階に応じた情報提供で、見込み客の理解度が深まって、最終的な受注につながりやすくなります。
適切な情報を掲載しておくことで、「商談で毎回同じ説明をする必要がなくなった」「お客様の社内で必要な資料を担当者だけで準備できる」といった営業活動の効率化も期待できます。
営業ツールとしての活用
最適化されたWebサイトは、営業ツールとしても活用できるようになります。
商談で、「詳しい事例はWebサイトに掲載しています」「技術資料は当社Webサイトでダウンロードできます」と、追加情報の提供としても使えるようになります。
また、提案書や稟議書の作成に必要な情報も、Webサイトから簡単に入手できるようになるので、お客様側の社内手続きもスムーズに進めてもらいやすくなります。
内製化によるBtoB企業のメリット
サイトスタイリング™は、すべての集客の取り組みを内製化することをゴールとしています。
BtoB企業で、集客を自走できるようになると、様々なメリットがでてきます。
業界知識を活かした専門的コンテンツ作成
BtoB企業が内製化を実現することで得られる最大のメリットは、自社の業界知識や専門性を活かしたコンテンツが作成できることです。
外部のWebマーケティング会社では、どうしても表面的な情報しか扱えません。
でも、自社であれば、長年の経験に基づいた知見や事例、顧客との実際のやり取りから得られた生の情報を活用できます。
技術的な詳細、業界の将来動向、顧客の課題に対する具体的な解決策など、競合他社にはない独自の価値あるコンテンツを継続して発信できるようになります。
迅速な市場対応
BtoB市場は変化が早く、新しい技術や規制、市場動向に迅速に対応する必要があります。
内製化することで、こういった変化に合わせてコンテンツを更新できるようになります。新商品の発表、法規制の変更、業界動向など、必要な情報を必要なタイミングで発信できます。
また、営業現場からのフィードバックも、すぐWebサイトに反映していくこともできます。
「こんな情報があれば商談がやりやすい」「この事例をもっと詳しく紹介してほしい」といった現場の声を、すぐWebサイトに掲載していけるようになります。
競合との優位性
継続して改善していくことで、競合他社に対する優位性も確立できるようになります。
ほとんどのBtoB企業のWebサイトは、一度作ったらほとんど更新されていません。
なので、集客の内製化が実現できれば、常に最新の情報を発信して、ユーザーにとって価値のあるコンテンツを発信し続けることができます。
そうすると、見込み客からは「この会社は業界の最新動向をよく発信している」「信頼できる」「相談してもすぐに対応してくれそう」というように期待されるようになります。
BtoB企業だからこそ効果的なサイトスタイリング™
BtoB企業のWebサイトは、BtoC以上に戦略的なアプローチが重要です。
長期にわたる検討プロセス、複数の関係者、高い専門性、大きな投資額。こうした特殊な環境だからこそ、サイトスタイリング™による包括的な最適化が大きな効果を発揮します。
デザインがキレイだけでなく、信頼性、使いやすさ、情報の充実度を総合的に高めることで、営業を強力にサポートするWebサイトに生まれ変わらせます。
さらに、集客を内製化することで、自社の専門性を活かした独自のコンテンツを継続してスムーズに発信できるようになって、競合他社との差別化もできるようになります。
もし、あなたの会社のWebサイトが営業の役に立っていない、問い合わせの質が低い、受注につながらないといった課題を抱えているなら、一度ここまで書いた視点でWebサイトを見直してみてください。きっと、これまで気づかなかった改善ポイントが見つかるはずです。
そして、本格的に改善に取り組みたい、BtoB向けのサイトスタイリング™をやってみたい方は、お気軽にご相談ください。
営業活動をサポートし、売上向上につながるWebサイトづくりを、一緒に進めていきましょう。
初回のご相談は無料です。
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