2026 08 30 Sun

Webサイトを内製化|中小企業が制作・運用・SEOを自社で行うメリットと進め方

更新(初出 ) by 松崎

Web集客・Webマーケティング

「ホームページの更新を、いちいち制作会社に頼むのが面倒」「SEOも自社でやれないだろうか」。そう考えたことはありませんか。

Webサイトの内製化とは、制作・更新・SEOを自社で回せるようにすることです。外注費が下がるだけでなく、思い立ったその日に直せるようになります。

ただし、全部を自社でやる必要はありません。自社でやったほうがいい作業と、外注したほうがいい作業がはっきり分かれます。この記事では、その線引きから、SEOの内製化でつまずくところまで、実際の作業レベルで解説します。

Webサイトの内製化とは

3人の女性が大きなモニターの前でパソコンを操作しながらビジネスのミーティングを行っている

Webサイトの内製化と聞くと、「サイトを一から自分たちで作ること」と思われがちですが、そうではありません。中小企業が現実に取り組むのは、次の3つです。

  • 更新の内製化/お知らせ、ブログ、商品情報、価格の差し替えを自社で行う
  • 改善の内製化/ページの追加、文章の書き直し、導線の調整を自社で行う
  • SEOの内製化/タイトルや見出しの調整、記事の追加を自社で行う

逆に、デザインの設計やシステムの構築まで自社でやる必要はありません。そこは外注のままで構いません。内製化の目的は「全部やること」ではなく、止まらずに手を動かせる状態をつくることです。

なぜWebサイトの内製化が中小企業に必要なのか

外部の会社に任せきりになると、自社の強みを活かした集客ができず、費用の負担だけが大きくなります。変化の速いWebでは、対応の速さも求められます。

そこで必要になるのが、自社でWebサイトを回せるようになるための取り組み、つまり内製化です。

内製化のメリット

  • 継続的なコスト削減
  • 自社の強みを活かした柔軟な施策
  • スピーディーな改善・修正
  • 社内のWebスキルが向上する
  • 業界理解を活かした発信ができる
  • ノウハウが社内に蓄積される

なかでも大きいのが、費用の構造が変わることです。外注は「作業のたびに払う」形なので、更新すればするほど費用が増えます。自社でできるようになると、更新は増やしても費用は増えません。手を動かすほど得になる形に変わります。

もうひとつが、ノウハウが社内に残ることです。外注していると、どのページが読まれているのか、どの言葉で検索されているのかというデータは、すべて外部に蓄積されます。契約が終われば、手元には何も残りません。内製化すれば、それが会社の資産になります。

効果がはっきり出るのは、日常の作業です。お知らせやブログの更新、商品情報の差し替え、キャンペーンページの追加。これらを自社でできるようになれば、外注の待ち時間がゼロになります。

「思い立ったらすぐ直せる」。この速さが、そのまま集客力の差になります。SEOの面でも、こまめな更新はプラスに働きます。

どこまで自社でできるのか

内製化でいちばん多い失敗が、範囲を決めずに始めることです。全部やろうとして力尽きるか、結局ぜんぶ外注に戻るかのどちらかになります。

自社でやりやすい作業

  • お知らせ・ブログの投稿
  • 商品・サービス情報の追加と修正
  • 文章の書き直し
  • 写真の差し替え
  • ページタイトルと見出しの調整
  • アクセス解析の確認

これらは知識より慣れの問題です。手順さえ分かれば、担当者が変わっても続けられます。

外注したほうがいい作業

  • デザインの新規設計
  • ページの構造を変える改修
  • フォームやシステムの追加
  • サーバーやドメインの移転
  • 表示速度の改善
  • セキュリティ対応

ここは失敗したときの影響が大きく、復旧に専門知識が要ります。自社で触って壊すと、外注するより高くつきます。

判断の基準

迷ったときは、この2つで判断してください。

  • 頻度が高いか/毎月やる作業なら内製化する価値があります。年に一度なら外注のほうが安く済みます
  • 失敗しても戻せるか/文章や写真は戻せます。構造やシステムは戻せません

「毎月やる、戻せる作業」から内製化する。これが失敗しない順番です。

ホームページ制作そのものは、内製化すべきか

「ホームページ制作から自社でやりたい」というご相談もよくいただきます。結論から言うと、中小企業にはおすすめしません。

いまは無料のツールでホームページを作ること自体はできます。ただ、作れることと、集客できるサイトになることは別です。構成の設計、導線、検索されるための土台。ここは経験の差がそのまま結果に出ます。作るのに何か月もかけて、集客できないサイトができあがるのが典型的な失敗です。

制作は外注し、公開後の更新と改善を自社で回す。これが中小企業にとって最も費用対効果の高い形です。ホームページ制作の内製化を考えているなら、まず「更新の内製化」から始めてください。それだけで、外注費の多くは下がります。

SEOを内製化する

Webサイトの内製化のなかで、いちばん誤解が多いのがSEOです。「専門知識がないと無理」と思われがちですが、成果に直結する部分ほど、実は自社にしかできません。

自社でできるSEO

  • ページタイトルの見直し/検索される言葉が入っているか。ここが最も効きます
  • 見出しの整理/何について書かれたページか、見出しだけで伝わるか
  • 記事を書き足す/お客様に聞かれた質問に答える記事を増やす
  • 古い記事の書き直し/新しく書くより効果が出るのが早い場合があります
  • 内部リンクを張る/関連するページ同士をつなぐ
  • Search Consoleで確認する/どんな言葉で表示されているかを見る

どれも専門ツールは要りません。必要なのは、自社の商品とお客様を知っていることだけです。そしてそれは、外部の会社には持てません。

外注が必要なSEO

  • サイト構造の設計・URL設計
  • 表示速度の改善
  • 構造化データの実装
  • インデックスの不具合対応
  • 大規模なリライト計画の設計

技術的な領域です。ここは触らず、専門家に任せて構いません。

SEOの内製化でつまずくところ

実際に相談を受けるなかで、止まる場所はだいたい決まっています。

  • 効果が見えず不安になる/SEOは半年から1年かかります。3か月で判断すると必ず「意味がない」となります
  • 順位ばかり見てしまう/順位は最後に動きます。先に動くのは検索結果への表示回数です。そこを見てください
  • キーワードを社内の言葉で選ぶ/お客様は業界用語で検索しません。実際に打ち込まれる言葉で書きます
  • 完璧を目指して公開できない/SEOは公開してから直すものです。8割で出したほうが早く育ちます

何から手をつけるか

SEOの内製化は、この順番で進めると迷いません。

  • 1. Search Consoleを見る/いまどんな言葉で表示されているかを知る。ここが出発点です
  • 2. 表示はあるのに順位が低いページを直す/新しく書くより早く効きます
  • 3. タイトルに検索される言葉を入れる/1ページずつで構いません
  • 4. 記事を月に1〜2本足す/お客様に聞かれた質問から書きます

いきなり記事を量産しないことです。すでにあるページを直すほうが、圧倒的に効率がいい。

内製化すると、費用はどう変わるか

金額は会社によって違いますが、費用の「かかり方」は共通して変わります。

  • 外注のまま/更新1回ごとに費用。ページ追加、文章修正、写真差し替え、そのつど見積もりと発注が発生します。更新を増やすほど費用が増えるので、結果として更新しなくなります
  • 内製化した場合/かかるのは自社の時間だけ。月に数時間です。更新を10回に増やしても費用は変わりません

見落とされがちですが、お金より時間の差のほうが大きいことがあります。外注だと、依頼してから公開まで数日から1週間かかります。自社なら30分です。キャンペーンの告知や、価格の変更、急なお知らせ。この差がそのまま機会損失になります。

ただし、内製化しても保守契約は残したほうがいいです。不具合対応やセキュリティ更新まで自社で抱えるのは現実的ではありません。更新費を減らし、保守は残す。これが現実的な着地点です。

制作・更新を内製化する

CMSがあれば、更新はできる

WordPressなどのCMSが入っていれば、文章や写真の差し替えは管理画面から行えます。HTMLの知識は要りません。いま更新を外注しているとしたら、その多くは自社でできる作業です。

入っていない場合は、更新のたびに費用と時間がかかり続けます。サイトを作り直すタイミングで、CMSの導入を検討してください。

デザインの崩れをどう防ぐか

自社で更新するときに最も多いのが、レイアウトが崩れることです。原因はほぼ2つで、他所からコピーした文字を貼り付けることと、画像のサイズがバラバラなことです。

文字はいったんメモ帳などに貼って書式を消してから入れる。画像は縦横のサイズを決めておく。これだけで、崩れはほとんど起きなくなります。

更新が止まる原因

内製化して数か月で更新が止まる会社には、共通点があります。

  • 担当者が1人しかいない/その人が忙しくなると止まります。2人で回すか、手順書を残します
  • 手順を覚えていない/月1回の作業は忘れます。スクリーンショット付きの手順書を作ってください
  • 何を書けばいいか分からない/ネタを先に30個書き出しておけば止まりません

内製化が失敗する3つのパターン

1. 全部を一度に自社へ移す

いちばん多い失敗です。制作会社との契約を切って、更新もSEOも一気に自社でやろうとする。数か月で手が回らなくなり、結局元に戻ります。更新だけ、ブログだけ、と1つずつ移してください。

2. 手順を残さない

担当者が覚えているうちは回りますが、異動や退職で止まります。月1回の作業は、本人でも半年後には忘れています。スクリーンショット付きの手順書を、作業しながら残す。これだけで属人化を防げます。

3. 成果を短期で判断する

更新の速さはすぐ実感できますが、集客の成果は半年から1年かかります。3か月で「内製化しても意味がなかった」と判断してしまうと、そこまでの積み上げが無駄になります。最初の半年は、成果ではなく作業が続いているかを見てください。

内製化に必要なもの

高価なツールは要りません。中小企業が最初に用意するのは、これだけです。

  • Google Search Console/無料。検索でどう見られているかが分かります。内製化の必需品です
  • Googleアナリティクス/無料。サイト内でどう動かれているかが分かります
  • CMSの管理画面/既存のもので構いません
  • 画像を整える手段/無料のもので十分です
  • 手順書/これが一番大事です。担当者が変わっても続けられます

ツールを増やすより、Search Consoleを毎月見る習慣のほうが成果に直結します。

Webサイト内製化の進め方

いきなり全部を自社に切り替えると失敗します。順番があります。

  • 1. 更新から始める/お知らせ、ブログ、商品情報。戻せる作業から手をつけます
  • 2. 数字を見る習慣をつける/Search Consoleを月に一度開きます
  • 3. あるページを直す/タイトルと見出しから。新規制作より先です
  • 4. 記事を足していく/月1〜2本。続けられる量にします

ここまでが、自力で始める場合の順番です。

支援を受けながら進める場合の10ヶ月

独学だと、どうしても遠回りになります。流楽では10ヶ月かけて、段階的に自走できる状態まで伴走しています。おおまかな流れは次のとおりです。

  • 1〜3ヶ月目/現状の分析と、サイト改善の基礎づくり
  • 4〜6ヶ月目/アクセス解析を使ったコンテンツの改善
  • 7〜9ヶ月目/Web広告の活用と最適化
  • 10ヶ月目/自社で継続するための総仕上げ

各段階で何をするのか、料金はどうなるのかは、Webマーケティング支援のページで詳しくご案内しています。

なお、この先のアクセス解析の活用、Web広告の運用、社内の体制づくりについては、webマーケティング内製化支援|中小企業の体制構築と進め方でも解説しています。

よくある質問

Q. 専任の担当者がいなくてもできますか

できます。月に数時間の作業なので、兼任で回している会社がほとんどです。ただし1人だけに任せると、その人が忙しくなった時点で止まります。手順書を残して、2人が触れる状態にしてください。

Q. パソコンが苦手な社員でも大丈夫ですか

更新作業はWordで文章を書くのと大きく変わりません。難しいのは操作ではなく、何を書くかを決めることです。そこが決まっていれば、操作は数回で慣れます。

Q. 制作会社との契約はどうすればいいですか

解約する必要はありません。更新を自社に移し、技術的な作業だけ依頼する形に変えるのが現実的です。月額の保守は残しつつ、更新費を減らすという切り替え方が多いです。

Q. SEOは本当に自社でできますか

技術的な部分を除けば、できます。むしろ自社にしかできない部分のほうが、成果に直結します。お客様が使う言葉を知っているのは自社だけだからです。

Q. どのくらいで効果が出ますか

更新の速さは初月から実感できます。SEOによる集客の効果は、半年から1年です。短期の成果を期待すると続きません。

これからの中小企業のweb集客

手法は日々変わりますが、本質は変わりません。自社の強みを活かし、お客様が知りたいことを、必要なタイミングで発信し続けることです。

Webサイトの内製化は、単なるコスト削減ではありません。自社をいちばん理解している人が、自分の手で発信できるようになることに価値があります。外注では、そこに届きません。

「制作や更新を、自社でできるようになりたい」「でも何から始めればいいか分からない」。そうした段階でも構いません。流楽では、サイトの制作・運用・更新からSEOまで、自社で回せる状態になるまで伴走します。