あなたのWebサイトは、訪問してくれるユーザーにとって「親切」ですか?
最近のWebサイトは、CMSが導入されて機能性が高く、見た目もキレイなものが増えています。しかし、更新しやすくキレイなだけでは、ユーザーに配慮できていない「ただ作っただけのWebサイト」でしかありません。ユーザーが集まるWebサイトは、見た目のキレイさだけでなく、訪問するユーザーへの「思いやり」と「親切さ」もきちんと配慮しておく必要があります。
Webサイトの「親切」とは何か
「親切なWebサイト」とは、どんなものなのか。

実店舗で考えてみてください。
お客様が来店したとき、丁寧な挨拶、わかりやすい商品の配置、適切な照明、清潔な店内環境など、来店するお客様のことを考えて、予め様々な「おもてなし」の準備を行います。こうした配慮があるお店は、お客様に「また来たい」と思ってもらえますよね。
Webサイトも同じなんです。
ユーザーが快適に操作でき、スムーズに情報を得られる配慮を予め行なっておくことが、デジタルの世界での「おもてなし」なのです。
親切なWebサイト」の特徴
- 素早く表示される → お客様を待たせない
- 必要な情報が見つけやすい → お客様が迷わない
- スマホでも快適に閲覧・操作できる → どんな環境でも使いやすい
- 誰でも利用しやすい → 多様なユーザーへの配慮
- 安全に利用できる → お客様が安心して利用できる安全な環境
こうした「親切」は、単なる良心的な取り組みではなく、実はSEOの施策そのものなのです。
なぜSEOの本質が「ユーザーへの親切」なのか
GoogleやYahoo!などの検索エンジンの目的は何でしょうか?
それは「検索ユーザーに最も適切な情報を提供すること」です。
以前の記事「Webマーケティングの成功を支えるSEO戦略」でも触れましたが、検索エンジンは常にユーザーの使いやすさと検索精度の向上を目指して進化しています。検索アルゴリズムはますます賢くなり、「ユーザーにとって価値があるサイト」と「そうでないサイト」を見分けられるようになってきています。
あるユーザーがあなたのWebサイトを訪れ、すぐに「戻る」ボタンを押して検索結果ページに戻ってしまったとします。これは「このWebサイトには私が求める情報がない」あるいは「使いにくくて情報を見つけられない」「表示されるまで待てない」というサインです。検索エンジンはこうしたユーザーの行動データを収集・分析し、評価の参考にしています。
ユーザーに「親切」なサイトは自然と高い評価を得すようになり、検索結果ページで上位に表示されやすくなります。これは、評判の良いお店に自然とお客様が増えていくのと同じと言えるかもしれません。
私はこの「ユーザーへの親切」という視点こそが、単なるテクニックや小手先の対策ではない、本質的なSEOだと考えています。
不親切なWebサイトの特徴
「うちのサイトは大丈夫かな?」と思われた方のために、「不親切なWebサイト」の特徴をいくつか見てみましょう。
表示速度が遅い
待ち時間は誰にとってもストレスです。
特にスマホでSNSを利用するユーザーは、非常にスピーディにコンテンツを選ぶことが日常となっていて、わずか数秒の待ち時間でもとてもストレスを感じるようになっています。調査によると、表示に3秒以上かかるサイトからは、約40%のユーザーが離脱するとされています。こういった現状を考えると、「うちのサイトは表示が遅いんです…」などと悠長なことは言ってられません。
サイトの表示が遅いことは、レストランで注文してから料理が出てくるまでに長時間待たされるようなものです。どんなに美味しい料理でも、提供が遅ければお客様は満足できませんよね。
私も通勤電車の中でスマホを使っているとき、なかなか表示されないサイトは表示されるのを待つのではなく、次へ次へとアクセスしていくようになりました。皆さんも同じではないでしょうか?
表示速度は、ユーザーへの配慮と集客する目的の両方で、今すぐ取り組むべき最も重要なポイントと言って良いでしょう。
スマホでの閲覧・操作が難しい
現在、インターネットのアクセスの半分以上はスマホからと言われています。
それなのに「PCでの閲覧」を前提としたデザインのままだったり、スマホで見やすく最適化されてなかったりすると、多くのユーザーに不便をかけることになります。
- 文字が小さくて読めない
- ボタンが小さすぎてタップしづらい
- 横にスクロールしないと全体が見られない
- 縦スクロールにコンテンツの表示が間に合わない
- 色がはっきりせず、見にくい
- メニューが操作しにくい
このようなWebサイトは、スマホユーザーにとって大きなストレスとなります。ほとんどの人は我慢して操作することなく、すぐに立ち去ってしまうでしょう。
情報が見つけにくい
「このサイトのどこに自分の求める情報があるんだろう?」と迷わせるWebサイトも多いです。
- メニュー構造が複雑すぎる
- 検索機能がない、または機能していない
- 内部リンクがわかりにくい、または不足している
- 情報の整理整頓ができていない
デパートを例にすると、フロアマップがなく、案内表示もほとんどない状態です。目当ての商品を見つけるのに時間がかかりすぎると、お客様は諦めて別のお店に行ってしまいますよね。
Webサイトも同じです。ユーザーは一生懸命探すことはせず、すぐ立ち去って別のWebサイトへ行ってしまうでしょう。
アクセシビリティへの配慮不足
視覚障害のある方、色覚特性のある方、高齢者など、様々な条件を持つユーザーへの配慮が欠けているWebサイトはかなり多いと感じます。
- 画像に代替テキストがない
- 色だけで情報を区別している
- コントラストが低く、文字が読みにくい
- キーボードだけでは操作できない機能がある
- 見出しをデザイン優先で設定している
私自身、最近老眼が進み、小さな文字や低コントラストのWebサイトは読みづらく感じています。アクセシビリティへの配慮は「特別な人のため」ではなく、実は誰もが必要とする基本的な配慮です。当たり前の配慮を、よくわからないとか、めんどくさいで片付けるWebサイトにならないようにしてほしいものです。
「親切なWebサイト」に必要な5つのポイント
では、具体的にどのような取り組みが「親切なWebサイト」には必要なのか。
実は、「ユーザーへの親切」はSEOと切っても切れない関係にあります。私たちが「Webサイトの集客力を左右するテクニカルSEO」と呼んでいるものも、実はすべて「ユーザーへの配慮」という視点で必要な設定なのです。
重要な5つのポイントとそれぞれの取り組み方について見ていきます。
1. スムーズな表示速度
- 画像の最適化 – 適切なサイズと圧縮で、見た目の品質を維持しながらファイルサイズを小さくする
- 不要なコードの削除 – 使っていないJavaScriptやCSSを整理する
- ブラウザキャッシュの活用 – 一度読み込んだファイルを再利用できるよう設定する
- サーバー応答時間の改善 – より高速なサーバーへの移行や、CDN(コンテンツ配信ネットワーク)の利用を検討する
Webサイトの表示速度は、ユーザーの使いやすさに直結し、大きな影響を及ぼす最も大事なポイントです。
「お客様を待たせない」という接客の基本がここにも適用されます。表示速度の改善は「お客様への思いやり」です。待ち時間を減らすことで、ユーザーはストレスなくコンテンツを楽しめるようになります。
2. スマホファーストの設計
- レスポンシブデザイン – 画面サイズに応じて自動的にレイアウトが調整される設計を採用する
- タップしやすいボタン – 指でタッチしやすい大きさ(最低44×44ピクセル)のボタンを用意する
- 読みやすいフォントサイズ – 小さすぎない文字サイズ(16px以上推奨)を使用する
- シンプルなナビゲーション – スマホでも操作しやすいメニュー構造にする
現在はスマホからのアクセスがほとんどです。
Googleも2018年から「モバイルファーストインデックス」を導入し、モバイル版のコンテンツを優先して評価するようになっています。これは、実店舗で例えるなら、車いすでも通りやすい広い通路や、子ども連れのお客様も利用しやすいテーブル配置を考えるようなものです。どんなお客様にも快適に過ごしてもらうための配慮です。
3. わかりやすい情報設計と内部リンク
- 論理的な階層構造 – トップページ→カテゴリページ→個別ページという明確な構造を作る
- パンくずリスト – 現在地がわかるように表示する
- 関連コンテンツへのリンク – 「こちらの記事も参考になります」といった誘導を配置する
- わかりやすいアンカーテキスト – リンクの文字部分が内容を適切に表現する
ユーザーが求める情報にスムーズに辿り着けるよう、情報を整理し、適切な案内(内部リンク)を設置することも大切な配慮です。この取り組みは「Web集客におけるSEOの重要性」でも少し触れているように、ユーザーの回遊性を高め、滞在時間を延ばし、検索エンジンからの評価向上が期待できます。実店舗の例で言うと、デパートでフロアガイドや案内表示がしっかりしていると迷わずに目的の売り場に行けるのと同じです。
4. 誰もが使いやすいアクセシビリティ
- 画像の代替テキスト – 画像の内容を説明するテキストを設定し、視覚障害者用のスクリーンリーダーで読み上げられるようにする
- キーボード操作対応 – マウスを使わなくても全ての機能が利用できるようにする
- 適切なコントラスト – 文字と背景のコントラスト比を十分に確保し、色覚特性のある方にも読みやすくする
- 論理的な見出し構造 – h1〜h6タグを適切に使用し、文書構造を明確にする
Webアクセシビリティとは、障害のある方や高齢者だけでなく、様々な条件のユーザーがWebサイトを利用しやすくする取り組みです。
2024年4月からは改正障害者差別解消法により、すべての事業者もWebアクセシビリティへの「合理的配慮」が法的義務となりました。こういった配慮は「特別なユーザーのため」ではなく、誰もが利用しやすくなるので、これからのWebサイトでは当たり前の設定になっていくでしょう。
5. 検索結果でのわかりやすい情報提供
- タイトルタグの最適化 – 検索結果に表示される青いリンクテキストを、内容にあった記述にする
- メタディスクリプションの設定 – 検索結果に表示される説明文を魅力的で正確なものにする
- 構造化データの実装 – リッチリザルト(評価や価格などの追加情報)が表示されるようにマークアップする
ユーザーとの最初の接点となる検索結果ページでの表示も「親切」な配慮をすることができます。
検索結果ページでわかりやすい適切な情報を提供すると、ユーザーは自分の求める情報がそのページにあるかどうかを判断できるようになります。よくわからないから片っ端からクリックして戻るをくり返す必要はありません。
これは、お店の看板やショーウィンドウが店内をわかりやすく表現できているか、見せられているかどうかと同じです。外から見ただけで「このお店に入れば欲しいものが見つかりそうだ」とわかれば、入店率が上がりますよね。同じように、検索結果での適切な情報提供は、クリック率の向上につながります。
「親切なWebサイト」の効果
「親切なWebサイト」づくりは単なる理想論ではありません。
正しく作業して設定すれば、実際に問い合わせや購入がやってくるようになります。
親切で使いやすいWebサイトの好循環
- ユーザーの満足度向上 – 使いやすさが向上し、求める情報がスムーズに見つかる
- 滞在時間の延長 – 満足度の高いサイトでは、ユーザーが長く滞在する
- コンバージョン率の向上 – 情報を見つけやすく、操作しやすいサイトは、問い合わせや購入につながりやすい
- SEO評価の向上 – ユーザーの行動データ(滞在時間、直帰率など)は検索エンジンの評価要因となる
- 検索順位の上昇 – SEO評価が高まれば、検索結果でより上位に表示される
- アクセス数の増加 – 上位表示されれば、より多くのユーザーが訪れる
この流れは「お客様を大切にするお店は自然とお客様が増える」という実店舗での原則とまったく同じです。「Webマーケティングの成功は「ユーザー理解」が重要」で述べたように、ユーザーへの理解と配慮が、結果として営業の成果や売り上げ向上となっていきます。
ユーザーが見えてなくてもきちんと配慮する
インターネットとWebサイトでは、ユーザーと直接顔を合わせることはありません。
だからこそ、より一層の配慮が必要だと私は思います。
目の前にいないからこそ、「このユーザーはどんな環境で見ているのだろう?」「どんな情報を求めているのだろう?」と考える力が求められます。表示速度の改善、スマホ対応、内部リンクの最適化、アクセシビリティの最適化、検索結果での適切な情報提供…これらはすべて、実店舗でお客様をおもてなしする時の「当たり前の配慮」です。
「ユーザーへの優しさと親切」をWebサイトできちんとカタチにしていくことは簡単ではありません。
当社ではこれまでの経験から、ユーザー目線のWebコンサルティングを通じて多くの企業様のWebサイト改善から集客までをサポートしてきました。技術が進歩しても、ネット内のやり方が変わったとしても、ビジネスの根本にある「お客様を大切にする」という姿勢は変わらないはず。SEOという技術も、その本質は「人に対する思いやり」です。
ユーザーに優しいWebサイト
Webサイトの「親切と優しさ」は、今もこれからも絶対に欠かしてはいけない取り組みです。
私たちが実店舗で目にしている当たり前の「お客様への配慮」を、Webサイトでも実践することで、ユーザーの満足度は高まり、結果として問い合わせや購入といったコンバージョンにつながります。そして、Google等の検索エンジンも「ユーザーに価値を提供できるサイト」を高く評価するため、自然と検索順位も上がっていきます。ユーザーに親切なWebサイトにすることがSEO対策です。
あなたのWebサイトは、訪れるユーザーに「親切」で「優しい」ものになっていますか?
「キレイなだけ」ではなく「使いやすく価値ある」Webサイトになっているでしょうか?
あなたが自分の目で見て、遅いとか、見にくいとか、わかりにくいと感じる部分があれば、ユーザーも同様に感じています。
Webサイトの集客でお悩みの方、改善したいけど、どうすれば良いかわからない方は、まずはそのお悩みをお聞かせください。ユーザー目線のWebサイトづくりをサポートし、見た目だけでなく本当に使いやすいwebサイトに改善していくお手伝いをさせていただきます。
初回相談は無料です。
お気軽にご相談ください。