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3DCGのつるテカなお話

昨日のブログでも書きましたが、大抵の3DCG制作者はつるテカな機械部品などは大好物でしょう。
旧来のレンダリングエンジンでは反射マップ(周囲の風景や物体が映り込んでいるように見せる、いわば疑似反射)を利用していた頃でも、本物のように見える、3DCGの得意ジャンルでしたから。
自然物のように自由な造作で無駄にポリゴンを食いませんし、正確な図面(CADデータならなおよし)さえあれば、規則的な動きをすることもあってモーションをつけることも難しくありません。

つるテカパーツ群
つるテカパーツ群

私が仕事で使用している3dsMAXもmental-rayが標準搭載となり、出来の良いマテリアルが用意されていますから、制作者はテクスチャの制作に頭を悩まされることも少なくなりました。
さらにマシンパワーが追いついてきたこともあって最近では「え?これCG!?」と感じられる作品が比較的楽に作れるようになっています。

そんなつるテカポリゴンの”らしさ”のキモはずばり反射。従来のレンダリング方式よりもより現実的、物理シミュレーションに近くなってきている高品質レンダラーでは、高層ビルに空の青さが写り込むように、周囲の光と色が重要な意味を持ってきます。
一番上の画像はガラスに囲まれたBOXの中、たくさんのつるテカパーツが互いに写り込むことで、実際に存在しているかのような存在感を醸し出しますが、これが、上部ドラム以外の周囲のオブジェクトの一切を消してしまうとこんな感じに。

ノンつるテカ
周囲オブジェクトを総消去すると・・・

ぺたっとした。ステンレスのヘアラインが模様にしか見えない物体になってしまいます。
この仕事でも当初、「ガラスボックス内のロータリーパーツはまるで本物なのに、開けた部分はおもちゃみたい」と、さんざん社内でいじめられました。
そこで下記のように、周囲のオブジェクトを配置、(HDRIの球体背景も試してみましたが今ひとつで)カメラには不可視に、反射光は生かして工場内に配置されているように。
それでも満足とは言えませんでしたね。もっと足下のパーツにも反射の影響が見られるように作りたかった。あまり複雑にしすぎるとレンダリング時間にも影響してくるから痛し痒しなんですが。
これらの調整が今後の課題ですね。短時間でかちっと決めたい物です。

背景
左のように背景オブジェクトを配置。実際の映像では右のように。

さらに、物理シミュレーションに近くなってきている分、別の苦労もでてきていまして、嘘をつきにくくなったと言いますか、ライトの制御がよりシビアになり、ここだけちょっと明るく・・・とか、ここはもっと派手な色に・・・とか言うことがやりにくくなっています。
そりゃそうですよね。太陽の下で見た色と、夜間蛍光灯の下で見た色は、同じ物であってもかなり色味は違っています。太陽の元の色を蛍光灯下のシュミュレーションで出せるわけがないのです。

前作でもそこが悩みどころでした。充填剤の色がどうしても褪せた感じになって、思った色になってくれませんでした。結局、充填剤のマスクを作って、動画編集時に色補正をすることで乗り切りました。

補正
左がムービー画像。右が元のレンダリング画像。

刑事ドラマにおける拳銃の発射音の如く、本物より、より”らしく”見せるべく制作者の苦労は続いていくのでしょう。

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